あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
「わかっているんだけどね」
小林さんは少し困ったような顔をしながら私を見つめる。そして、ゆっくりと優しい声を響かせた。マンションのエントランスには誰も居なくて、小林さんの声だけが響いてくる。
「俺さ、美羽ちゃんが思っている以上に美羽ちゃんのことが好きだよ。だから、美羽ちゃんの嫌がることは絶対にしたくないんだ。でも、俺も男だしね。一緒にいると自信がなくなる」
「私も女ですから」
私がそういうと、小林さんはクスクス笑っていた。私の言っている意味を分かっているのかいないのか…表情からは読めない。私は少しでも小林さんの近くにと思ってはいる。それは単なる性別だけではない。
「そうだね。美羽ちゃんは女の子だね。でも、もしかしたら考え違いしているんじゃない?俺が男と言う意味。別に性別の事じゃないんだけど」
男ではなくてオトコ…。
でも、私も女じゃなくて…オンナ。
そんなことは分かっている。
さすがにそこまで子どもじゃない。恋愛経験は皆無だけど、この年になっているのだから少しくらいは分かる。小林さんは大人の男の人なのだから衝動的になることもあるかもしれないということ。
「わかってます」
「そっか」
そんなことを言いながらも私の部屋の前に来てしまった。
ガチャっと鍵の開く音がして、私がドアを開くと小林さんはニッコリと笑う。そして…。私の心が素直に飛び跳ねるのが分かった。
小林さんは少し困ったような顔をしながら私を見つめる。そして、ゆっくりと優しい声を響かせた。マンションのエントランスには誰も居なくて、小林さんの声だけが響いてくる。
「俺さ、美羽ちゃんが思っている以上に美羽ちゃんのことが好きだよ。だから、美羽ちゃんの嫌がることは絶対にしたくないんだ。でも、俺も男だしね。一緒にいると自信がなくなる」
「私も女ですから」
私がそういうと、小林さんはクスクス笑っていた。私の言っている意味を分かっているのかいないのか…表情からは読めない。私は少しでも小林さんの近くにと思ってはいる。それは単なる性別だけではない。
「そうだね。美羽ちゃんは女の子だね。でも、もしかしたら考え違いしているんじゃない?俺が男と言う意味。別に性別の事じゃないんだけど」
男ではなくてオトコ…。
でも、私も女じゃなくて…オンナ。
そんなことは分かっている。
さすがにそこまで子どもじゃない。恋愛経験は皆無だけど、この年になっているのだから少しくらいは分かる。小林さんは大人の男の人なのだから衝動的になることもあるかもしれないということ。
「わかってます」
「そっか」
そんなことを言いながらも私の部屋の前に来てしまった。
ガチャっと鍵の開く音がして、私がドアを開くと小林さんはニッコリと笑う。そして…。私の心が素直に飛び跳ねるのが分かった。