あなたと恋の始め方②【シリーズ全完結】
 悶えるって…。小林さんは下着くらいで悶えたりはしないと思うけど、私がこの下着ではこころもとない気がする。レースとフリルが散りばめられた下着が横が紐だったりするから普通の下着に着替えたい。


 小林さんに見せるためにこの下着を着たわけではなく、小林さんが自分の部屋にいるというのに緊張してしまった私はシャワーを浴びに行くのにクローゼットの中から下着を持ってくるのを忘れたというのが本当のところだった。それに気付いたのもシャワーを浴び終わってからのことで、どうしようかと悩んだ視線の先に買ったばかりで軽く洗ったばかりの『勝負下着』が目に入った。


 私にとっては選択の余地はなかった。勝負下着をつけるか、何もつけないかだったら、例え、横を紐で結ぶタイプのものであってもそちらの方がいいだろうと判断した。でも、さすがに心もとない。見せないと分かっていても恥ずかしさは募る。


 でも、今の時間ならチャンスかもしれない。小林さんはぐっすりと寝ている。スルリと上手く腕の中から抜けることが出来たら、起こすことなく普通の下着に着替えに行くことが出来るはず。そんなシミュレートをした私は計画を実行することにした。


 まずは小林さんの腕から抜けるのが一番最初のミッション。これは小林さんを起こさないというのが前提だから難しい。しかし、このミッションをクリアすれば後はどうにかなる。


 ゆっくりと身体をずらして、腕の中から抜けようとした。

 
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