COLORS



すると、後藤は、くすくすと笑いだす。





「ねぇ、それ、私じゃなくて、本人に言いなよ」



「わかってるよ、でも……」



「何?」



「すみれに、重いとか思われたら、さぁ……」



「思わないでしょ!!」



「そうかな……」



「喜ぶでしょ、普通。だから、ちゃんと本人に話しなよ」



「うん……」







そうして、



青い空に昇るように、



五時限目の予鈴が響く。







「時間だな」



「そうだね、戻ろっか」



「……あのさ、相談、のってくれて、ありがとな」



「え、相談だったの!? ただの惚気話でしょ!!」





また、くすくすと笑う後藤と、中庭を後にし、校舎の入り口まで来た時、





「すみれ?」





そこに、小柄な姿を見つけて、





「待ってたよ、良」





ふんわりと笑う、すみれと、





「やっぱり、惚気てるんじゃない」





さらに、おかしそうに笑う、後藤と、





「まぁ、そういうこと。だから、早く、教室、戻ろ。もう反省文は御免だよ」





俺は、入り口から校舎へと、勢いよく駆け込んだ。







その日の、帰り道。





いつものように、すみれと歩く、帰り道。





「私と一緒の大学、行きたいんだって?」



「聞いてたのか」



「第一志望は、東明大学に決めてるよ。ついてこれそう?」



「東明……うん、大丈夫!! また、死に物狂いで勉強すれば、大丈夫だ、多分!!」







先の保証など、何一つない。







それでも、



想う心が、迷うことはない。







“ずっと隣で、護る”







果てしない青は、無限の可能性だ。







時刻は、午後四時。





頭上には、まだ残る、



昼間、中庭から見上げた、





青、が。







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