泥酔彼女
顔の造作が整っているだけに、改めてこんなに近付かれると迫力と凄味がある。
「…で、沢村。俺に何か言う事あるだろ?」
「は?」
「キスまでした仲なのに、俺に大事な事言い忘れてるだろ」
「何を言えと?」
「俺はお前の事が好きです」
「!」
「同期だし友達だし今までの関係を壊したくなくて言わずにいましたが、実は俺はお前の事が好きです。ずっと好きでした。愛してます。お前を抱きたいです」
「ちょっと待って待って」
「本当は口に出せないようなことを頭の中でお前にしていました。色々妄想していました。具体的に言うと素っ裸にひん剥いて両手を縛っ」
「待てええええ!!」
彼の敬語も気色悪いが、立て板に水ですらすらと出てくる告白に私は泡を食って、その口許を片手で抑えて黙らせてやった。