泥酔彼女


***



「ねえちょっと待って月島。私今、大事な事言おうとしてたよね?」

「あー残念だ。俺からの告白に、沢村が応えてくれないなんて」

「いえあの、めっちゃ応えようとしてたんですけど!」

「とても残念だ。俺は自慢じゃないが、片想いなんて慣れてないんだよな」

「違うっつってんだろが! 下ろせ! 人の話を聞け!」

「まあ俺は諦めが悪いからな、鳴かないホトトギスは鳴かせりゃいいよな」

「滅茶苦茶鳴こうとしてるっつうの! 超音波出したろか!」

「……啼かせりゃいいよな」


私の気の所為でなければ、最後の鳴くの字面が間違っているような気がする。

担がれてばた付かせる私の両足を器用に抑え込み、月島はくるりと踵を返してさくさくと私の部屋を横切っていく。

運搬先は、───ベッドだ。

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