泥酔彼女


私はこのキスに弱いのだ。与えられる舌の甘さについ絆されて味わってしまう。

流されては駄目だと遅れて思い直し、抵抗しようとして気付いたが、いつの間にか私の両手は彼に抑え付けられている。

間近く見詰める彼の眸が、実に楽しそうに細められているのが見えた。

一度唇を外され、私はキスに押し込められていた呼吸を解放して息を吐く。

その間にも月島は、憎たらしいほど要領が良かった。

掴んだ私の両手首をあっさりまとめ上げて、先程外していた彼のネクタイでさらっと縛り上げるまでものの数秒だ。


「ちょッ!? 何このプレイ!」

「さっき赤裸々に告白したろ。俺がお前をどうしたいかって」

「許可した覚えはない!」

「お前が俺を好きって言わないから。言うまで苛めてやらないと」

「だから言うってば! 私は月島がす」


またキスで塞がれた…!

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