陽のあたる場所へ
「あ…でも…私じゃないんだけど、その…他に…」
「え~?彼女いるんですかぁ?」
「ハッキリは知らないんだけど、そんなようなこと言ってたような…」
「そうなのかぁ~!そりゃそうですよね~!あんなに素敵なんだもん。居ない方が不思議ですよねぇ」
…貴女だってそうだと思うけどなぁ…
そう思いながら、いずみを見ていると、だんだん姿勢がテーブルの上に沈んで行った。
…あ~…落ち込んじゃった。どうしよう…
でも、知ってることは教えといてあげないと…
引き返すことができるうちの方が、傷も浅くて済む筈だから…。
沙織が何かかける言葉を考えていると、程なく、いずみがだんだん浮上するかのように背中を伸ばし、叫んだ。
「でもっ!取り敢えず頑張ってみる!ダメだったら、潔く諦めて、次、探します!」
ポジティブだなぁ…羨ましい…
そして潔い。
少しは見習わなきゃ。
何だか誰にも言えずにウダウダしてる自分が、哀れに、そしてバカバカしくも思えた。
イマドキの若者のパワーを少しは分けて貰えた気がする。
これはこれで、今日の収穫なのかも。
いつもと違った人と会って、自分とは違った考えの話を聞いて、自分の中に違う空気を入れてみることも、時には必要なんだな…。
沙織は素直にそう考えた。