陽のあたる場所へ
「何だ…やっぱり泣いてんじゃん」
「…亮?!」
街灯の下で、亮が立っていた。
街灯の灯りに照らされ、光の粒が亮の髪に肩に、静かに舞い降りている。
「何、ピンチにヒーローが駆け付けた、みたいな顔してんだよ」
「…え?…どうして?…」
「俺は空なんか飛べないからな。たまたまこの三区先の駅近くで商談してたんだよ」
「ぷっ…誰がヒーロー。…にしても、そんな寒い場所で待ってなくても…」
沙織の涙は、瞼の裏で止まり、少しだけ笑いが込み上げた。
「うっせ!俺は雪が好きなんだよ。それにお前を助けに来たんたから、ある意味ヒーローだろ?」
「亮…」
「何だよ。仕事か、男か、同僚とか友達か?何そんなに辛そうにしてんだよ。
沙織…、話して少しでも楽になることなら、俺にぶつけろ。でも、話すのさえ辛い出来事がもしあるなら、無理に聞いたりはしないから…。
酒飲んでウサ晴らすだけでもいいなら、付き合うし」
「ありがとう。…でも」
「でも、大丈夫…とか言っても、信用しないからな」
『でも』という沙織の言葉を予想していたように、亮の『でも』が重なった。