陽のあたる場所へ


「親父とお前の母親、単なる再婚じゃないんだぞ。
龍司が生まれる前から、内縁関係だったんだよ。
つまり、お前は連れ子なんかじゃなく、親父の本当の息子だ。俺とも半分血が繋がってる。
義母さんは、愛人だったんだよ。
お前が生まれたことを知って、俺の母親はおかしくなって家を出た。
そして、事故だか自殺だかわからない死に方をしたんだ」



頭を思いっきり殴られたような気がして、俺は声を飲み込んだ。

母が…父を寝取り…、俺が生まれたせいで、兄の母が死んだ?!

俺の存在が…兄の母親を殺した?…。

そんな…そんなことって……



兄の母は、病気で早くに亡くなっていて、その後、父と母が知り合い、そして再婚したのだと信じて疑わなかった。

だって、俺が幼い頃に、父が会いに来てくれたことなんか一度もなかったじゃないか。

実の息子なら、例え素性を明かさずとも、親戚の叔父さんとか偽ってでも、会いに来た筈だ。
父親のいない俺が、あんなに淋しがっていたのに…。
その気持ちを、母はよく知っていた筈なのに…。

母は、仕事で遅くなることが度々あったが、父と会っていたんだろうか…
父は、母と二人で会うことはあっても、俺に会いたいとは思ってくれなかったんだ。

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