陽のあたる場所へ
「俺は、ある時、酒に酔って、絢音にそれを話してしまった。落ち込んでつい愚痴を吐いてしまったと、翌日になって後悔したよ。
でも、その頃からだった…絢音が変わったのは…。
彼女の家は、父親が事業に失敗して生活が大変だったらしい。
だから、何不自由なく、他人より少し裕福な生活ができる環境にいたいんだ。
俺のことを好きだったのは事実だとしても、次期社長としての後ろ立てがあってのことだったんだよ。
それを無くしそうな俺には、もう魅力を感じない。
だからお前に鞍替えした。
そういう女だ。
お前の母親と同じだ。自分の将来を手に入れる為に、身体を武器に使ってな。
本当は薄々わかってる。絢音から迫ったんだろ?お前は、自分からそんなことする奴じゃない」
何も言葉が出て来なかった。
兄と絢音さんの関係について、どちらかが誤解をしてるのか、
何らかの嘘をついているのか…
絢音さんにとって、俺はどういう存在だったのか…
わからないけど、もうどうでも良かった。
兄が言ったのと同じで、どちらに傷つけられても、辛さは同じだ。
父と母のことも、冷静に考えること自体が今の俺には無理だ。