陽のあたる場所へ


俺が大学に姿を見せないことを心配して、友人の坂口翔平(サカグチ ショウヘイ)が電話をかけて来た。


翔平は、俺が母と二人で暮らしていた頃の、小学校の同級生だ。
家も近くで、物心ついた頃から一緒に遊んでいた気がする。
友人の中でも一番気が合っていたので、引っ越しする時は淋しかった。

別れた時にはまだ子どもだったから難しくても、数年経って、自分で電車に乗って遠くまで行けるようになったら、会おうと約束をした。

けれど、新しい土地で新しい友達もでき、中学、高校と、環境もどんどん変わって行く中、約束が果たされることはなかった。

男同士の、しかも子ども同士の約束なんて、そんなものだ。



だから、大学で、偶然会った時には驚いた。

入学して半年ほど経っていた。
例え存在を知っていても、学部もサークルも違っていれば、広いキャンパスの中、四年間かけても一度も会わない奴だってきっといる。
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