陽のあたる場所へ
翔平は俺を自分の部屋に連れて行くと、ただ黙って座り込んでいる俺の目の前に、適当に作った物を並べた。
「とにかく何か食え。倒れるぞ」
何も食べる気などしないと思っていたが、翔平が前に何度か作ってくれた、彼特製のシンプルな炒飯の美味そうな匂いに鼻先をくすぐられ、心配してここまでしてくれる翔平に申し訳ないという気持ちもあり、仕方なく一口を口に入れてみると、急に食欲が湧いて来た。
もう何日も、まともな物を食べていなかった。
翔平は、俺の顔を見ただけで、そんなことを察したのだろう。
炒飯の他にも、
彩りは綺麗だが、雑な盛り付けの野菜サラダ。
舌が火傷しそうなくらい熱過ぎる玉子スープ。
いつも一口大に切るのが面倒だと言って、パックに入ったそのままの大きさの豚肉の生姜焼き。
相変わらずの感じに、少しだけ頬が緩む。
湯気が出ている料理と呼べるような物を口にするのは久しぶりで、その味の優しさに胸が詰まり、鼻の奥がツーンとしたと思ったら、涙が溢れて来た。
俺は、涙を掌でガシガシ拭きながら、翔平の料理をがむしゃらに食べ続けた。