陽のあたる場所へ


「吉沢くん、居る~?あ、海野先輩、こんばんは。先日は本当にごめんなさい」

あれから一週間ほど経ち、終業時刻を少し過ぎた頃、久留宮いずみが顔を覗かせた。


「ね、ね、もう終わる?ご飯食べに行こうよ。あ、お酒でもいいよ」

「まだ終わる訳ねぇだろ?経理のお前と違って、定時に終わることなんかないんだよ」

「しっつれいね~!私だって残業する事だってあるもん。
今日はたまたま早く終わったから、誘いに来たのにぃ!これからまだ作家さんとこ行ったりするの?」

「いや、今日は中の仕事だけど…」

「だったら、いいじゃない。明日、頑張って片付けなよ~。ね~」

吉沢の腕を引っ張り、ゴネる姿もまた可愛い。
勤務中は後ろで束ねている髪をほどき、毛先にウェーブがかかった長い髪が彼女の胸の上で揺れている。

この二人、何だかお似合いだな…
同期で仲が良いだけだと思ってたけど、もしかしたら、お互いに意識し合っているのかも知れない。

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