陽のあたる場所へ
いずみに連れて行かれた店は、バル仕様のお洒落な洋風居酒屋だった。
なるほど…。
串焼きの煙でもうもうしてるような、酔っ払いのオジサンがクダ巻いたり、大騒ぎしてるような店にばかり行ってちゃダメなんだ…
沙織は心の中で反省する。
「やっぱり~!海野先輩って、癒し系で、素敵な人だって聞いたけど、噂通りなんですね。それでいて仕事もできるなんて、憧れです!」
食事をしながら、一時間程会話した後で、いずみが目を輝かせて言う。
こらこら…
やっぱりこの子は天然ちゃんだ。
沙織は、思わず、口が半開きになり、動きが止まってしまう。
噂って、他の噂は聞かないのか?
仕事が〝 できる 〟んじゃなくて、最近では〝 できない 〟方の。
どんな情報網の中で生きてるんだ?
いや、きっとこの娘を取り巻く情報網は、正確な筈だ。
この娘の受信の仕方がおかしいんだ…きっと。
そんなんじゃ、悪い奴にコロッと騙されるぞ。
…と、沙織は心の中で呟く。
何気なく、吉沢の方を見ると、箸を持って固まったまま、いずみを見ていた。
そんな二人のストップモーション的な反応にすら、全く動じる様子もなく、いずみは話し続ける。