陽のあたる場所へ


「ところで社長なんですけどね、秘書はつけないポリシーだって聞いてたんだけど、最近、海野先輩、社長のお手伝いばかりしてて、まるで秘書みたいじゃないですかぁ。海野先輩、面倒見良さそうだから、お気に入りなんですかね」

すごく鋭いツッコミだけど、解釈がまるで違う。
180度違う。

「久留宮さぁ、一応、確認の為に聞くけど、それ、嫌味で言ってんじゃないよな?わざとだったら、すっげえ性格悪いぞ」

「えっ?わざとって何?」

彼女の表情からすると、どうも本気で言ってるらしい。

「あぁ…、いいや。そうだよな…。お前、変な奴だけど、性格悪い訳じゃなかったわ。いいな~久留宮のそういうとこ」

吉沢は、愉快そうに笑って、また食べ始める。

「えっ?何?さっきから、変とか性格悪いとか。私のどこが…」

「違うよ。吉沢くんは、久留宮さんの、世間擦れしてない素直なとこが素敵だって言ってるの」


こういうタイプは、同じくらいの年齢の同性には、わざとらしいとか何とか言われて、結構反感を買うのかも知れない。
けれど、沙織にとっては寧ろ新鮮だった。

最近は、他の社員達の中でも、呆れられて、冷ややかな目で見られているのだと思っていたから…

天然でも何でも、いずみの言葉に癒された気持ちになった沙織だった。

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