恋は盲目

クリスマスを目前に控えた12月半ば。
寒がりの私は、マフラーと手袋が手離せない。

午後2時。
私は、ヒールの音を廊下に響かせながらゆっくりと歩く。

窓の外はすっかり葉も落ち、寂しそうな木々が並んでいる。
私はその木々を自分と重ねながら、一歩一歩歩いて向かう。

"サッカー同好会"

そんな表札の隣には、部員募集のチラシが未だに貼られている。

"サッカー同好会部員募集中!!"

白い紙に手書きで書かれた、綺麗とは言えないこの文字は龍ちゃんの字だった。

私はその字をしばらく見つめたあと、部室のドアノブに手をかける。

ーーキィ。

年季がある、古い金属音のする扉を開く。

部室は掃除が行き届いていないのでほこりっぽく、日当たりはあまりよくない。

広いとは言えない部室で、私たち同好会のメンバーはよく集まっておしゃべりする。
いつも人でいっぱいの部室はがらんとし、静かだ。

そんな中、グレーのニットを着た後ろ姿を見つける。

< 14 / 16 >

この作品をシェア

pagetop