恋は盲目
クリスマスを目前に控えた12月半ば。
寒がりの私は、マフラーと手袋が手離せない。
午後2時。
私は、ヒールの音を廊下に響かせながらゆっくりと歩く。
窓の外はすっかり葉も落ち、寂しそうな木々が並んでいる。
私はその木々を自分と重ねながら、一歩一歩歩いて向かう。
"サッカー同好会"
そんな表札の隣には、部員募集のチラシが未だに貼られている。
"サッカー同好会部員募集中!!"
白い紙に手書きで書かれた、綺麗とは言えないこの文字は龍ちゃんの字だった。
私はその字をしばらく見つめたあと、部室のドアノブに手をかける。
ーーキィ。
年季がある、古い金属音のする扉を開く。
部室は掃除が行き届いていないのでほこりっぽく、日当たりはあまりよくない。
広いとは言えない部室で、私たち同好会のメンバーはよく集まっておしゃべりする。
いつも人でいっぱいの部室はがらんとし、静かだ。
そんな中、グレーのニットを着た後ろ姿を見つける。