アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
「そうかもしれませんね。

 ああでも、専務の娘さんとか、きっと可愛いでしょうね。
 娘は父親に似ることが多いそうですから。

 そういえば、私もどちらかと言えば、父親似なんですよね」

「でも、娘は、最終的には母親に似てくるみたいだぞ。

 ……なに渋い顔してんだ。
 お前の母親、美人そうだが」

「それは何処からの推察ですか」

 それこそ、見たこともないくせに〜、と上目遣いに見やると、
「お前の顔の造作が悪くないからだ」
と言ってくる。

「そ、それはどうもありがとうございます」

 そう言いながらも、こんな綺麗な人に言われてもなあ、と思っていた。

 自分と遥人の顔の差は、スーパーのパックの寿司と、時価としか書いてない、特上寿司くらいある気がする。

「でも、母と私は本当に似てないですよ。

 娘の私が言うのもなんですが、まあ、確かに美人なんですけどね。
 私とは系統の違う、はっきりした顔で。

 猫系っていうか、女豹系っていうか」
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