アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
「その理屈で行くと、俺に娘が生まれたら、最終的には、あの女に似るということか」

 それは嫌だな、と遥人は眉をひそめる。

 我が子が気の強い梨花に似るのが嫌らしい。

 顔はまあ、美人だと思うが、確かにあまり万人受けするタイプではない。

 うちの母親と同じ女豹系だ。

「まあ、結婚しても、そんなに長くは一緒に居ないとは思うが」
と言う遥人に、

「あのー、子供の立場から言わせてもらうと、最初から離婚する気なら、結婚しないでくださいって感じなんですが」
と親に離婚された子供として、訴えてみた。

「そもそも、好きでもないのに、梨花さんと結婚するのは何故ですか」

 膝の上の遥人は那智ではなく、天井を見つめていたが、やがて静かに口を開く。

「みんなが言うように、財産目当てなんだろう。

 おい、それより、ベルマーク委員長のオチを話せ」

 そう言い、遥人は目を閉じる。

 ええっ。唐突ですねっ、と言うと、
「お前の話、くだらないが。
 くだらなさすぎで、続きが想像つかないから、微妙に気になるんだ」
と遥人は言った。




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