アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
「思うんだが」
「はい」

「最初から泊まるようにしてくればいいんじゃないのか?」

「いや、あのー。
 それだと貴方の不眠症が治るまで、毎晩泊まるようになるので。

 ほぼ此処に住む感じになるんじゃないかと思うんですけど」

「住むか?」

「住みませんよ~っ。
 もうっ」

 なんだかわかんない人だな。
 淡々とそんなこと言ってこないで欲しいと思った。

「心配するな」

 レースのカーテンの向こう、朝の街を見ながら、遥人は呟く。

「そう長い間じゃない」

「もう結婚するからですか?」

「まあ……或る意味な」

 そう言い、遥人は目を閉じる。


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