アラビアンナイトの王子様 〜冷酷上司の千夜一夜物語〜
「それが?」
と案の定、亮太は、そう突っ込んできた。

 だが、なにを思ったか、
「ねえ、俺も一緒に食べてもいい?」
と訊いてくる。

「そ、そうだね。
 でも、ちょっと待ち合わせてたりとか」

 するんだけど、という辺りを曖昧に誤摩化して言ってみたが、亮太は、
「へー。
 彼氏? 彼氏?」
と興味津々という顔で訊いてきた。

 しまった……。
 余計食いついてきちゃった。

 専務、今、来ないでください~っ、と祈った。

 やばいな。
 これは相手を見るまで動かないかも。

 桜田さんが暇ならちょっと来て、誤摩化してもらうんだけど。

 ま、あとで高くつきそうだけど。

 そんなことを考えていたとき、遥人が外を通った。

 目が合う。

 無言で視線だけ、亮太に流した。

 その存在を教えるように。
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