不良王子と 普通女子。
…ザッ


さっきまでは聞こえなかった足音が聞こえ、ビクッと肩がはねた。


ゆっくり振り返ると、数メートル後ろに若い男の人が立っていた。


…ジッとこちらを見つめてくる。


まさか…


思わず駆け出した。



コツッコツッコツッ…


ザッザッザッザッ…



足音も同じスピードでついてくる。


「……誰か、助け…んんっ」


大声を出そうとした瞬間、後ろから口元を塞がれた。


そのまま抱きしめられ、身動きがとれなくなる。


男の人の、荒い息遣いが耳元で聞こえてくる。



気持ち悪い。

怖い。

怖いよ…っ


私、何されるの……!!



「んーっ!!んーっ!!!」


頑張って抵抗しても、微動だにしない。


人通りの少ない道に引きずりこまれた。


涙が溢れてくる。


男の人の手が、制服を器用に脱がせていく。



ジタバタするけど、やっぱり拘束はとれなくて。


そうして、カッターシャツがはだけたその時。
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