イブにあいましょう
あぁ、飛行機に乗るからとノーメイクな上に、超気楽な服装をしているのに追いうちをかけて、熱出して寝ている今の私の姿は、いつも以上に見られたもんじゃないはず!
よりによって、なぜ、今、しかもこんな状況で、紀章さんと再会してしまったんだろう・・・。
あれから・・・離婚してから8年の間、偶然でも一度も会うことはなかったというのに。
そんなことを私が考えている間に脈を測り終えた紀章さんは、私の手首からそっと手を離しながら、その手をまた、毛布に入れてくれた。
その触れ方も相変わらず優しい。
けれど紀章さんは、熱を出して体が弱っている病人の私を、これ以上気弱にさせないために、普段以上に気遣いを込めて優しく接しているだけのことであって・・・つまり、彼にとって今の私は、患者の一人でしかない、ということに過ぎない。
だから、これから元夫(のりあきさん)と何を話せばいいんだろう・・・。
なまじ相手が・・一緒に暮らして、彼の名字を名乗っていた時期もあったくらい知ってる人なだけに、成田に着くまで丸無視するってわけにもいかないわよね。
だったら寝たフリ・・・って今やってもフリしてるって絶対バレるし!
バレるの分かってて、あえて寝たフリするとかそんな失礼なことは、絶対すべきじゃないし。
私一人で悶々と悩むこと数秒。
「久しぶり」と、紀章さんから話しかけてくれた。
よりによって、なぜ、今、しかもこんな状況で、紀章さんと再会してしまったんだろう・・・。
あれから・・・離婚してから8年の間、偶然でも一度も会うことはなかったというのに。
そんなことを私が考えている間に脈を測り終えた紀章さんは、私の手首からそっと手を離しながら、その手をまた、毛布に入れてくれた。
その触れ方も相変わらず優しい。
けれど紀章さんは、熱を出して体が弱っている病人の私を、これ以上気弱にさせないために、普段以上に気遣いを込めて優しく接しているだけのことであって・・・つまり、彼にとって今の私は、患者の一人でしかない、ということに過ぎない。
だから、これから元夫(のりあきさん)と何を話せばいいんだろう・・・。
なまじ相手が・・一緒に暮らして、彼の名字を名乗っていた時期もあったくらい知ってる人なだけに、成田に着くまで丸無視するってわけにもいかないわよね。
だったら寝たフリ・・・って今やってもフリしてるって絶対バレるし!
バレるの分かってて、あえて寝たフリするとかそんな失礼なことは、絶対すべきじゃないし。
私一人で悶々と悩むこと数秒。
「久しぶり」と、紀章さんから話しかけてくれた。