御曹司と溺甘ルームシェア
「父に話があるの」

私が橘さんの身体を避けて社長室に向かおうとすると、彼女は私を引き止めた。

「寧々さん、社長は今、来客中です」

橘さんが厳しい顔で私を見据える。

「関係ないわ。私の用の方が大事よ!」

「寧々さん!」

頭に血が上っていた私は、橘さんの制止を振り切り、ノックもせず社長室のドアをバアンと開いてズカズカと中に入る。

「ちょっと、父さん、どういう事!」

中に入ると応接セットの椅子に父と、双子の弟の鷹頼、そしてソファーには……私の高校時代の同級生のあの青年が座っていた。

「げっ!冷泉響人!」

驚いた私は思わず目の前の青年の名前を口にする。

父が「こら、寧々。お客様がいらしてるんだ」と私を注意するが、そんな言葉気にしてはいられない。
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