御曹司と溺甘ルームシェア
「今日から寧々が俺の婚約者になった」

冷泉は私の目を見ながら楽しげに微笑んだ。

「わけがわからないわ」

冗談を言うなら、もっと面白い事言いなさいよ。

目を細め冷泉を睨む。

「今からお馬鹿な寧々にもわかるように説明してあげるよ」

「誰がお馬鹿よ!」

私は歯ぎしりしながら拳を握り締める。

「お前の事だよ。高校時代の成績は平均以下、親の寄付金でギリギリ大学に行ったのは誰だっけ?」

冷泉が私の目を見ながら意地悪く微笑む。

「う、うるさい!あんたには関係ないでしょ!」

他人に知られたくない過去を知られて動揺した私は、言葉に詰まりながらも反論した。

「関係ある。野々宮家具は円高の影響で輸入家具の価格が高騰してここ二年業績が落ちている。おまけに安価でスタイリッシュな家具を売りとしているスワンやユアーズの新興勢力が急激に売上を伸ばしてきて、このままでいけば倒産の可能性もある」
< 34 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop