御曹司と溺甘ルームシェア
冷泉が真顔に戻り、淡々とした口調で告げる。

嘘をつけ!

私を婚約者にした理由はそれだけじゃあないはずだ。

そんな理由、私でもすぐに見当がつく。

こいつの真の目的はなんなわけ?

自分も『陰険で腹黒な俺が素直に言うと思うか?』なんて言ってたくせに。

「眉間に凄いシワ」

いつの間にか冷泉が私に近づいていて、クスリと笑うと私の眉間に触れる。

ハッと一瞬固まったが、よく見るとこいつは黒革の手袋をしていた。

……いつの間に手袋なんか。

私がタクシーでずっと考え事をしてたから気づかなかったのかな?

でも、手袋してて良かった。

フーッと息を吐いてホッとすると、冷泉がジーッと観察するような目で私を見ていた。
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