クールな社長の甘く危険な独占愛
「……社長がいなくなるのが、いやです」
さつきは絞り出すようにそう言った。
「家に巻き込むのはいやだって、そう言って、わたしを手放そうとしてますよね。いやです。いや……」
さつきは自分が何を言ってるのかわからなくなった。
「キスで堕とすって言ったのに、まだ堕としてないのに、またわたしが勝つって、勝ちたくないんです」
自分で言っていて、支離滅裂になってきた。
「さつき」
社長が小さく呼びかける。
「やだ」
さつきは社長の手を払って、顔を覆った。泣き出して、ひどい顔になっている。自分がまとまらない。どうしていいかわからない。
社長が無言でさつきの手首を引っ張り上げ、ソファに押し倒した。
革張りのソファの香り。社長の体温ですでにほの暖かくなっている。けれど掴まれた手首は燃えるように熱い。
さつきは社長の顔をまともに見られない。顔を背け、涙に濡れた頬を空いた手で必死に拭う。
「こっちむきなよ」
「無理、です」
嗚咽を堪えながら、さつきは言った。声が震える。
「最後まで、面倒な女」
社長は軽く笑って、さつきの頬を大きな手で掴んで、視線を合わせた。
「これが最後だから」
社長がさつきの唇をふさいだ。