クールな社長の甘く危険な独占愛
「さっきのキスで俺に堕ちたんだろう? いいじゃないか、それで」
さつきはぷうっと頬を膨らませた。なんだか悔しい。いいようにやられた。
「今回は俺の勝ち。っていうか、俺みたいな顔の男が『好き』って言ってんのに、堕ちないわけないっていうの」
社長が得意げに笑う。
「……それを自分で言っちゃうんところが……」
さつきは呆れた。
この人、わかってたけど、すごいナルシスト。
さつきの顔をみて、社長がニコニコしている。さつきはため息をついた。
ナルシストでいる自分も、魅力的だってわかってる顔だ。やられた……上手すぎる。
「でも、親と縁を切るって、できるんですか? そんなこと」
「『長尾』になろうと思ってる」
さつきは「は?」と声をあげた。
「さつきのお父さんに、悪いことをしたし。結局約束を反故にしただろう? だから俺が『長尾』になるよ。工房はあいつにまかせときゃいいけど。昌隆だっけ? でも俺が『長尾』の名前を大きくしてやる」
自信満々に言い切った。
「それ、社長のお父さん、怒りませんか?」
「まあ、怒るよ」
「じゃあ……」
「いいんだよ、ほっておけば」
社長が笑った。
「気づいたんだ、結局、逃げるならマジで逃げないとって」