深夜0時、キミと待ち合わせ。
「えー……、のの呆れられちゃったのかな……。紗帆ちゃーん!さーほーちゃーん!」

「はっ、はい!!」


名前を大声で叫ばれ、私は勢いよく立ち上がった。

真夜中くんも油断していたようで、その瞬間に私の腕を離した。

出ていかなかったら、ずっと名前を叫ばれ続けたのだろうか。


「あっ、なーんだ、隠れてたんだね。待たせちゃってごめん」


柿崎さんは、佐伯くんの手を引いて、私のところへやってくる。


「紗帆ちゃん、タケくんだよ。かっこいいでしょ?」

「……うん」


やっぱりそうなんだ。


柿崎さんは、茂みの中を覗き込んで、


「あれっ?レイジくんもこんなところで何してるの?」

「別に……」


知り合い……。
そうだよね、中学同じなんだし、佐伯くんの友達なんだし。

それだけ……だよね?

“レイジくん”か……。

そんなふうに名前で呼ぶ女の子、今までいなかった。

真夜中くんは、柿崎さんと目を合わせようとしない。
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