誰にでも優しい上司に困惑
困惑だらけ



「凛花ちゃん、顔が赤いよ?」



友理ちゃんに指摘されるが
冷ます方法なんて知らない


キスをされて、赤面するなんて
今まで……一度もない



ファーストキスも、こんなもんなのかと
どこか冷めていたし……


「大智は本当に凛花ちゃんのこと大好きなんだねー」


友理ちゃんの言葉に
なんだか申し訳なく思う



『……違うよ、友理ちゃん。大智さんは……ただ優しいだけ。私だけ特別ってわけじゃないよ?』



そうだよ、大智さんは誰にでも優しい
だから、私に優しいのだって篠原さんから守るためだもん

私の言葉に友理ちゃんは笑っていた



「凛花ちゃんは鈍感なの?大智が女一人のために純也達との誘いを断るとか、今まで無かったんだよ?それって、純也達より凛花ちゃんが大事だからでしょ?」


もっと、自信持ちなよ、
彼女なんだから



友理ちゃんの言葉が胸に刺さる
彼女なんだから……か、


私は……彼女じゃない
それを改めて思わされると胸が痛い


そして、再認識しちゃう
大智さんは私に同情していることを。
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