強引同期が甘く豹変しました



「家探してんの?」

「べっ、別に…探してるっていうか、どんな部屋があるのか見てただけ」

「ふ〜ん、ちなみに家探してるなら俺の知り合いが結構な数の不動産の仲介業やってるから普通に契約するより安くしてもらえるぞ?」

「えっ⁉︎本当⁉︎」



すぐそこにいるのに、携帯で話を続けていた私たち。

だけどその言葉を聞いた途端、すぐに電話を切り私は小走りで駆け寄った。



「ねぇ矢沢、今の話本当?」


見上げながらそう聞くと、何故かクスッと笑われた。



「なっ、何よ?」

「いや、どんな部屋があるか見てただけって言ってたわりに、必死感半端ナイなって思って」


意地悪そうに言いながら、今度はあからさまにハハッと笑う。



彼の名前は矢沢 亮太(やざわ りょうた)。

紀子と杉崎と同じく、株式会社B.Cシステムセキュリティで働く同期だ。



「べ、別に必死じゃないし」


一瞬でもこいつに頼ろうとしたのがそもそも間違いだった。


「ちょっと聞いただけでしょ?じゃ」


私はそう言うと、くるっと背を向けて足早にその場から歩き出した。


だけど…


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