強引同期が甘く豹変しました
そしてそれからというもの。
私たち女子チームは結束を固め、二週間に一度くらいのペースで男子も含めた同期会という名の飲み会を開くようになった。
その理由は、なかなか森さんの気持ちに気付かない鈍感な矢沢に、とにかく早く気付いてもらいたかったからだ。
矢沢は女子社員の先輩ウケも良かったし…もしも誰かとどうにかなってしまったら、森さんの気持ちが報われないし。
なーんて…そんな変な正義感にかられていたせいか、私たちは同期の飲み会の場では意図的に森さんを矢沢の隣に座らせたり、帰りは理由をつけて矢沢に送らせてみたり。
とりあえず、出来ることはやってみた。
だけど…同期会をする度、同期同士の仲は深まっていくものの、肝心な部分はさっぱりで。
飲み会ではいつも矢沢の隣には森さんがいるというのに、二人の距離はなかなか縮まらなかった。
おまけに何故なのか。
「おまえはどう思う?」とか。
「おまえはさ〜」とか。
いつからか私のことを「おまえ」と呼ぶようになっていた矢沢は、同期会の場でいつも私にばかり話題をふってきて。
ある夜は「彼氏いないんなら付き合ってやるぞ」とか。
何も知らない矢沢は隣にいる森さんではなく、目の前に座っていた私にそんなことを言ってきたり。
またある夜は「ひと口もーらい!」なんて言いながら、私のグラスを奪ってお酒を勝手に飲んできたり。
そんな突拍子のない行動をしてくるせいで、私はその都度森さんと目が合ってしまい、なんだか勝手に申し訳なくなったり、気まずくなったり…と、いつも複雑な心境にかられていた。