御曹司と愛され蜜月ライフ
「──で、話を元に戻すが」
気を取り直すように言って、課長は私を流し見る。
いつものメガネ越しじゃない鋭い眼差しを受け、自然と背筋が伸びた。
「まだこれは、公にはなってないがな。新年度から、俺は部長代理に昇進することになってる」
あ、やっぱりほんとだったんだ、あのウワサ。
そうは思ったけど一応黙ってうなずいておく。近衛課長はあぐらをかいていた右ひざを立て、つまらなさそうにため息を吐いた。
「で、そこは別に問題じゃない。面倒なのは、その昇進と同時にどうやら社長が俺に見合いをさせようとしてるらしいってことだ」
「え……」
今度は思わず声がもれてしまった。社長とはつまり、近衛課長のお父さんのことだ。
で、我が社の御曹司である近衛課長が、お見合いするって?
「見合いとはいっても、すでにほとんど決定している政略結婚だ。……相手はコノエ化成の得意先である建設会社のご令嬢でな。俺をダシにここらで太いパイプを作っておこうという魂胆らしい」
うなるように話す課長の様子を見れば、すぐにわかる。
私は失礼を承知で口を開いた。
「近衛課長は、そのお見合いに乗り気じゃないんですね」
「あたりまえだ。よく知りもしない相手と問答無用で結婚させられるんだぞ? 恋人すらいないのに、いきなり結婚なんて言われても困る」
「えっ、課長恋人いないんですか?」
気を取り直すように言って、課長は私を流し見る。
いつものメガネ越しじゃない鋭い眼差しを受け、自然と背筋が伸びた。
「まだこれは、公にはなってないがな。新年度から、俺は部長代理に昇進することになってる」
あ、やっぱりほんとだったんだ、あのウワサ。
そうは思ったけど一応黙ってうなずいておく。近衛課長はあぐらをかいていた右ひざを立て、つまらなさそうにため息を吐いた。
「で、そこは別に問題じゃない。面倒なのは、その昇進と同時にどうやら社長が俺に見合いをさせようとしてるらしいってことだ」
「え……」
今度は思わず声がもれてしまった。社長とはつまり、近衛課長のお父さんのことだ。
で、我が社の御曹司である近衛課長が、お見合いするって?
「見合いとはいっても、すでにほとんど決定している政略結婚だ。……相手はコノエ化成の得意先である建設会社のご令嬢でな。俺をダシにここらで太いパイプを作っておこうという魂胆らしい」
うなるように話す課長の様子を見れば、すぐにわかる。
私は失礼を承知で口を開いた。
「近衛課長は、そのお見合いに乗り気じゃないんですね」
「あたりまえだ。よく知りもしない相手と問答無用で結婚させられるんだぞ? 恋人すらいないのに、いきなり結婚なんて言われても困る」
「えっ、課長恋人いないんですか?」