御曹司と愛され蜜月ライフ
私の話を聞き、女性が眉尻を下げて自分の頬へ手をあてた。



「あら、それは困りました。土日祝日は会社がお休みだとうかがっていたのですけど」

「あー、なんだか忙しいみたいですねぇ」

「そうなんですね。でも、お仕事があるおかげで忙しくされるのはいいことですよね」



……うーん。まあ、やることなくて暇な会社よりは、いいのかもしれないけれど。

ほのぼの話す彼女のセリフに、私は思わず苦笑する。



「あはは。でも、課長は少し働きすぎだと思いますけどねー」



そこまで言ってハッとした。

青ざめながら、たった今失言した口を手のひらで覆う。


ちょっと私、今、なんて……。



「『課長』……? もしかしてあなたも、コノエ化成さんで働いてらっしゃるのですか?」



目をまるくした女性が問いかけてくる。私はといえば、肌寒い11月だというのに冷や汗ダラダラだ。

あああしくじった……! 完全に油断した!!

自分のツメの甘さに愕然とする。同時に、少なくともこの女性は『近衛 律』が『コノエ化成』の『課長』であるということを知っているのだと気が付いた。

……この人、ほんとに誰……? 少なくとも、ウチの社員というわけではなさそうだし。



「あ……えーっと、」



どうしよう。どうしたらいいの??

女性は、じっとこちらを見つめている。次に発するべき言葉が思い浮かばず、視線を泳がせたそのとき。
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