バンテスト魔法書の保持者
これは数日間、だいぶ荒れるな。


まぁ魔力が暴走しなかっただけましか。


「ちょっと待ちなさい!」


リューラが広場を出ようとした時、イチカ先輩の声がリューラを止めた。


「何?」


「私と模擬戦をしなさい」


ヒューンと風が通り過ぎる。


学園女子2位からの挑戦。


全員がリューラに目線を送る。


リューラはイチカ先輩に向き直って言った。


「やだ」


と。


おいリューラ、断るにするも「やだ」は流石にないだろ。


敬語くらい使え。


そんな言いたいことを胸に内にしまい込む。


今口出しするのは得策ではない。


「あら、逃げるの?」


「違う。模擬戦する理由、ない」


「私に勝てば、さっきの言葉を覆すことが出来るわよ」


そう挑発敵に言うイチカ先輩。


その顔は自信に満ち溢れていて、リューラと模擬戦しても100%勝つと思っているだろう。


リューラはというと大きな溜め息をついた。


「私、用事ある」


「ふーん‥‥‥じゃあ、こうしましょう。私に勝ったら学園順位を私と交換するっていうのはどお?」


「おいイチカ!」


「ミランダ先生は黙っていて下さい」


イチカ先輩にそう言われると押し黙ってしまうミランダ先生。


教師が生徒に圧倒されるとは‥‥‥


普通逆だと思うんだかな。


イチカ先輩の言葉に、リューラは少し考え込んでいる。
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