バンテスト魔法書の保持者
キッチンスペースにある食事用のテーブルでご飯を食べる。


たぶん、学食の料理のあまり食材。


賞味期限がギリギリなのか、質もあんまりよくない。


これからは、できる限り市場に買いにいこう。


ここの学園では、放課後の18時までは外出が許可される。


お金は‥‥‥‥バイトでもしようかな?


「い、一緒に食べてもいい?」


ルリが、遠慮がちに聞いてきた。


「‥‥‥‥ん」


私が軽く返事をすると、嬉しそうな顔をして隣に座った。


「リ、リューラちゃん、良かったら食べて?」


ルリが差し出してきたのは、シンプルなパンケーキだった。


だけど、トッピングのおかげで豪華に見える。


「ん、ありがとう」


「うん!」


ご飯を食べ終え、ルリにもらったパンケーキに手を伸ばす。


そういえば、スイーツ食べるの久しぶりだ。


一口食べると程よい甘さが広がる。


そのままパクパクと食べ、一瞬で完食した。


不安そうに、ルリが私を見ていた。


「おいしかった。また、作って」


「よかった!また作るね!」


花が咲いたように笑うルリ。


やっと元気が戻ってきたみたいだ。


お皿を洗って、寮に戻ろうとした。


「‥‥‥‥あ、リ、リューラちゃん!」


が、ルリの声をかけられてしまった。


これ以上、人と関わる必要はないけど‥‥‥


何となく、ルリの方を振り向いた。


「ま、またね」


「‥‥‥‥‥ん」


短く返事をし、今度こそ寮に戻った。
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