バンテスト魔法書の保持者

部屋にはすでに、ランナとルシータが戻っていた。


ドアを開けると、楽しそうに話している姿が見えた。


「リューラ、おかえり」


「あ、リューラさん、おかえりなさい」


同世代の人間に『おかえり』と言われるのは馴れなくて、少し困った。


「リューラ、見てこれ。さっき新聞部って部活の先輩が、宣伝もかねて配ってたの」


差し出されたポスターを受け取る。


そこには『注目の新入生！！』という題名がかかれていた。


「新入生代表をつとめた、ハンラルト国の第３王子は知ってるわよね。

そのカリスマ性や才能から、神の子とまで呼ばれた天才。第３王子という立場でありながら、
時期国王とまで期待されてるの」


「学年順位第２位なのは、リューラさんと同じ平民らしいですよ？名前はリオウ様というそうです。とても綺麗な方らしいですね～

リオウ様は人とあまり関わってないなそうで、
あまり情報がまだないらしいですね。一度お会いして見たいですわ～」


記事には『学年順位第２位、リオウ』と、少ない情報だけがかかれている。


リオウ、今何してるんだろう。


女の子に囲まれたとき、ほっていっちゃったしな～


次会うのがちょっと怖い‥‥‥


「学年順位第３位が、南大陸の北の方の国の王子よ。宝石とかが有名な、エルネッサ国の第５王子で、名前はルクト・エルネッサ。

冷静沈着な性格で『氷の貴公子』なんてあだ名までついたほど冷たい人みたいよ？」


ルクト・エルネッサ‥‥‥


噂で聞いたことはある。


なんでも、頭脳だけじゃなくて戦闘技術もすごいらしい。


エルネッサ国で開催されたほぼ実戦に近いルールの大会で、最年少で優勝したんだとか。


記事に乗っているのは、この３人だけ。


他には学園の先生や、生徒会のことなどがかかれている。


「ね、ね、リューラはこの３人、誰が好み？」


ランナがいきなりそんなことを言い出した。


好みって、どの人がタイプってことか。