バンテスト魔法書の保持者
「リオウ、わかったの!?」

                ・・
「ああ、あの糸の特殊効果。それは幻術だ」


「幻術?それでは、リューラさんの傷は偽物ということですか?」


「いや、恐らくだが、あの糸は幻覚と有幻覚の2つの役割ができる」


「有幻覚?」


「あの糸は、有るけど無いもの。オシレット先輩が〈有る〉と判断すれば実態となり〈無い〉
と判断すればただの幻覚となって無いものとなる」


「そんな!?」


これならオシレット先輩が傷つかず、ライアンが糸を避けなければならない説明がつく。


リューラの怪我は本物。


そして、ロレントとシンルスの方の戦闘は魔法を打ち合っていて、ほとんど動いていない。


ロレントは身体が大きく、ほとんど動けない。


だからシンルスの方が有利で、ライアンはロレントの支援もしなくてはならない。


まだ勝機は少なからずあるはずだ。


「恐らく、オシレット先輩の魔術装備は糸ではない」


「?」


「糸ではなく、その特殊な糸を生み出す針だ」


「‥‥‥あ!確かに、結界にも裁縫に使うような針がところどころに刺さってます!」


ルリが気がつき、針のある場所を指差す。


リューラは気づいているだろうか?


リューラ、頑張‥‥‥


ドクン!


「!?」


「リオウ様?」


不意に、心臓が一瞬だけ激しく鳴った。


自分の胸に手を当てる。


これは‥‥‥‥この、感覚は‥‥‥‥


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