バンテスト魔法書の保持者
時刻は午前8時。


そろそろ教室にいかないといけない。


本を机の引き出しにしまい、カバンを持って部屋をでようとした。


「あ、リューラ待って。一緒に行きましょう」


「あ、私も一緒に行きたいです」


ランナとルシータが私にそう言った。


愛想のない私なんかと仲良くして、なにかメリ
ットがあるのだろうか。


あ、ダメだ。


無意識に人を疑ってしまうのは、私の悪い癖。


ルームメイトだし、少しは関わらないと。


ランナとルシータの準備が終わるまで、ドアの前で待った。


「待たせてごめんね」


「ごめんねぇ」


別にいいと、フルフルと首だけ振った。


そして、私達は教室に向かった。


*********************


この学園では、常にSクラスが特別扱いされるといわれている。


そして、順位は結構変わりやすいそうだ。


入学試験は筆記テストだけの順位だが、次の試験からは、筆記と実技のテストの合計点で決まる。


二学期と三学期は、またいろいろプラスされるらしい。


クラスが変わるのは学期事だ。


1学期の中間と期末の合わせての合計点で順位が決まる。


そして、2学期の初めに順位表がまた張り出される。


だから、中間も頑張らなければならない。


私は何のクラスでもいいけど、なるべくSクラスに入りたい。


目的の王族の情報も欲しいし、リオウと一緒に行動しやすくなるだろう。


リオウ、絶対にSクラスだろうし。


リオウは筆記で2位の実力だけど、実際は実技の方が得意だ。


憎たらしいほど、いろいろな才能をリオウは持っている。
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