バンテスト魔法書の保持者
「私達は、別にあなたに言ったわけではないわよ。でも、私達の言った事に反論するってことは‥‥‥‥」


「っ!!」


低レベルなトラップに引っかかった女子生徒を私はただ見ていた。


だけど、すぐに興味をなくして目をそらした。


すたすたと、自分の指定された席に座る。


席の順番は順位で決まる。


最下位の私は、端っこだ。


教室の空気はピリピリしている。


なぜか皆はランナとルシータではなく、私に目線を向けていた。


なるほど、アーケイ先生が言ってたことが起こりそう。


いや、絶対に私がターゲットか。


キーンコーンカーンコーン


チャイムがなり、皆が席に座る。


それから、教室のドアが開いた。


入ってきたのは、20代の若い男の先生。


癖っ毛の群青色の髪と瞳。


背は高く、目つきはとても良いとはいえない。


‥‥‥‥‥きつそうな先生。


教卓に立つ先生の第一印象はこれだ。


女子生徒は少し浮ついている。


男子生徒は緊張の面差しが殆ど。


クール系のイケメン先生。


だけど、威圧感や存在感がすごくある。


素直に怖いと思った。


素人には察知出来ないような何かがある。


「初めまして。俺の名前はラベル。このFクラスの担任、精霊語や獣人語といった言語学の教師。担当は1年だ。よろしく」


低いバリトンの声が教室に響く。


この人が、1年生に言語学を教える先生。


強い人だろうし実技の授業の先生かと思った。
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