性悪魔王と妄想モンスター(5/19 63P公開)
そんな…夢だったなんて。
違うよ、絶対!だけど、そう思うのに…美夜さんが言うむくろ君の様子はワタシも見てた。
ワタシだってむくろ君の様子に違和感を覚えた。
本当に…むくろ君はワタシを嫌ったかもしれない。
胸に不安が広がり、ワタシは下唇を噛み締めた。
「変な顔してるわよ」
言われなくても分かってる、今ワタシの顔は酷い事になってるに違いない。
美夜さんの視線は痛いくらい感じる。
「ゆ、め…じゃな、い…も、んっ」
ワタシの言葉は自分自身にも言い聞かせているようだ。
美夜さんのイジワル!!友達なのに!ワタシの友達だと思ってたのに…っ!!
なんで信じてくれないの!もう!
「だからイチ…」
「美夜さんのバァーーカ!!!分からずや!!!美人だからって調子乗ってんじゃねえぞ!!!バカ!!!」
ワタシはめいいっぱいに叫んで教室を飛び出した。人にぶつかったりもしたけど気にしない、そのまま廊下を走った。