溺愛伯爵さまが離してくれません!
「はあ・・・」

支度をしている間も、私の口から出るのはため息ばかり。
何回出たのか自分でも分からないほどでした。

「やだわ、そんなにため息ばかりついて。辛気臭いったら」

「ため息も付きたくなるわよ・・・」

自分の人生が、これほどまでに上手くいかないなんて思ってもみなかった。

勝手に仕事を決められ、自分の想う人とは決して結ばれることはなく。
その人を忘れるために、好きでもない人と見合いをして結婚する。

・・・私の意思はどこにあるんだろう。
私の意思が尊重される時は来るんだろうか。

誰かに流されて生きていく、人生。

私の人生は、つまらない、そのもの。


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