溺愛伯爵さまが離してくれません!
父から望む返事が聞けたというのに、新たな不安が生まれ依然心の中はモヤモヤしたままだ。

リーナは僕をどう思っているのだろう。
ずっと、伯爵と侍女の間柄だけでしかなかったのだろうか。

怖い。それを知るのが、そう言われるのが、とても怖い。

けれど、今は探すしかない。

リーナを必ず見つけ出し、今までの行いをを詫び、僕の気持ちを告げるしかない。
その後のリーナからの言葉は、その時にならないと分からない事。

今それを考えても仕方ないんだ。
今は探すことに集中しなければ・・・。

不安を払拭するように、大きく頭を左右に振って気持ちを切り替えると、外で待たせていた馬車へと乗り込む。


「お帰りなさいませ」

「このままリーナを探しに行く。乗り合いの馬車が向かう街へと行ってくれ」

「かしこまりました。では、ここから近い街から探すことにしましょう」

ガルムは御者に行き先を告げると、馬車は音を立てて走り出した。
流れゆく景色を見つめながら、ただため息を零す事しか今は出来なかった。
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