I love youを日本語に
「どう?一人暮らしは」
「大学は楽しい?」
「バイトは何してるの?」
わたしは少し戸惑っていた。
こんなふうに他愛もない会話をもう1度ナオくんとできる日がくるなんて思ってもいなかったからだ。
だってわたしは、最低で、ナオくんを傷つけた。
だから、そんな資格ないと思っていた。
「ユウ?どうした?」
また胸が苦しくなる。
付き合っていた頃と同じだ。
わたしが何か悩んでいるとナオくんは絶対に気が付いて
どうした?
と少し首を傾げてわたしの顔を覗き込む。
とても優しい顔でわたしを見るのだ。
その顔に、その瞳にわたしは黙っていられなくて、胸の内を話してしまう。
「苦しい」
「苦しい?」
「ナオくんに優しくされるのが苦しい」
「え?」
自分の語彙力のなさに落ち込む。
何を伝えれば、どう表現すればいいのか言葉を探す。
その間もナオくんはじっと待っていてくれる。
決してトシのようになんだよ、早く言えよ、なんて急かしたりはしない。