I love youを日本語に




「わたしはナオくんを傷つけた。

だから優しくされると申し訳なさで苦しくてたまらなくなる。

責められる方が100倍マシなの」



胸の奥の痛みは、

きっとこういうことなんだと思う。


ナオくんに対しての後ろめたい気持ちがずっとわたしの胸の中にはあるのだ。

あの別れた日からその気持ちの大きさは変わっていない。


それはきっと、ナオくんに一言も言われなかったからだ。

ナオくんに、最低だな、とかふざけんな、とか
わたしを責めるような言葉を何一つ言われていないからだ。


「ユウ」

ほんの少しの沈黙の後、ナオくんはわたしを呼んだ。


「ユウ、顔上げて」

ゆっくり顔を上げるとナオくんと目が合う。

やっぱり、優しい顔をしていた。


「俺はね、ずっと分かってたよ。


ユウが俺のこと男として好きじゃないって最初から分かってた」


なら、どうして。

どうしてわたしに好きだと言ったんだろう。

どうしてわたしと付き合ったんだろう。

いっぱい聞きたいことがあった。

でも、驚きすぎて言葉にならない。


「ユウは坂本が好きだったんだろ?」


なんで。

なんでトシのことが好きだったことまで分かってるの?




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