星になれたら
「ねえ…あのとき、あたし、昔の自分とエッチしてるみたいだったの」



「…亜矢さん?」



俺は、亜矢さんみたいに綺麗じゃないです。」



亜矢は悲しげに笑う。

「あたしが綺麗だと思う?」


ジュンは大きくうなづいた。



「ジュン、悪い女に騙されるなよ~」

亜矢は苦笑いしながら言った。



「亜矢さんは綺麗であったかくて…初めてだったんです、好きだって思った人を抱いたのは。


金のために知らない女を抱いたり、ワケわかんねえ風俗の女に迫られたり…俺はどうしようもない男なんです。」



「…やっぱ好きな人とのエッチってヤバいん?」


亜矢は真剣に尋ねる。


ジュンは思わず笑ってしまう。


「あははは、ヤバいっすよ!手、震えるんすもん」



「ヤバいのか~…」


「亜矢さんだって!…ヨースケ童貞そうだけど」



亜矢は無理矢理笑顔をつくる。


「そ、そだね!がんばる…」



「亜矢さん、幸せになってください…」



「ありがと!ジュンもだよ?応援してるからね」



「…亜矢さん、行ってください。ヨースケと今日デートなんでしょう?」



亜矢はふわっと微笑み背伸びしてジュンの頭を撫でると、ヨースケのもとへと駆けていった。



< 68 / 153 >

この作品をシェア

pagetop