私のイジワルご主人様
そうだった。
あたしは鴻上くんから「ダッシュ」って言われたから走って買いに行った。
もちろん帰りもダッシュで。
走った振動で紅茶はほどよく混ざり、そして…あたしの持っているサイダーは……開けたら間違いなく中身が半分吹っ飛ぶ仕様になってしまっている。
ーつまり、今開けるのは超キケン。
安全に飲むためにはしばらく置いておくしかない。
なるほど。
ジュースが飲みたかったはずなのにあたしにサイダーを渡した理由はこれか。
あたしが炭酸好きなの知っていてこっちをくれたわけじゃないのね。
なぁんだ。
あたしはプルタブから手を放し、サイダーを机の上に置いた。
「よし、賢明な判断だな」
鴻上くんは満足げにそう言うと紅茶を飲んだ。