きみが望めば
あたしは女性らしい声が聞こえたこと、窓辺に寄ったとき、何かが掌で動いたのを感じたことを話した。
最初の女性の声がお母さんの声だと思って飛び起きたことは話さなかった。だって、その部分はほんとに夢の続きだったのかもしれないから。

窓の付近も、部屋中も確認してくれたけど、何もおかしなところはなかったらしい。
なんだったんだろ?

「私はアル王子に報告に参ります。扉の前は警備を継続しますのでまた何かありましたらおっしゃってください。」
騎士たちが部屋を出て行った。

「あ!」あたしったら、昨日の服のままだった!ソファで眠り込んでしまっていたことにやっと気がついた。

ドレスのままで、身体ががちがちだった。
さっきの声は気になるけど、取り敢えず着替えたい、とあたしは洋服ダンスと思われる白いタンスに向かった。

少し楽そうな服があるといいのだけど。。
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