きみが望めば
タンスの扉を引くと、中にはまたまた素敵な洋服がたくさん入っていた。

「アル王子の好みなのかな?」
フリルやピンク、レースにセクシーっぽいのまでいろいろあった。その中からゆったりめな服を選んだ。
「これにしよ。」

「ァー、やっぱりアンタはどっちつかずだネ」
「!っこの声!」
窓のほうを見た。でも誰もいない。

どうしよ、外の見張りの人に、、!
駆け出そうとした時、はっきりと声がした。

「やめときなーサイ。アンタにしか聞こえないンダから。」
カタカタ、っと窓が揺れた。
声は甲高いけど、怖そうな響きはなかった。

あたしは窓辺に目を凝らして見た。
「そこに、いるの?」
「フフフ、ソーゾーしてごらんなサイ。」

ぼわんっ!
目の前で何かが弾けた!ようだった。
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