きみへの想いを、エールにのせて
余計なことは言うまいと思っていたのに、思わずそう口走ってしまった。
「復帰はできると言われてる。ただしクロールだけど。でも、もういいんだ」
「どうして? 結城君なら……」
「チョコちゃんに、なにがわかるんだ!」
硬く拳を握り、大きな声を張り上げた結城君を見て、ビクッと震える。
こんなに感情を荒立てた彼を初めて見た。
「なにが……」
唇を噛みしめ、吐き出すようにそう言った彼は、顔を伏せた。
「ごめん。私……」
泣きそうになったけれど、懸命に我慢した。
私が泣くところじゃない。
「私の、せいだね。私が結城君の復帰を急かしたりしたから」
やっとのことでそう言うと、彼はハッとした顔で私を見つめる。
「謝って済むなんて思ってない。でも私、本当に結城君が泳ぐ姿が好きだった」