きみへの想いを、エールにのせて
「違います!」
驚きすぎて、ムキになって否定してしまった。
「でも、結城のために水泳部作ったんだろ?」
それは違うと言えない。
黙ってうつむくと、香川君が再び口を開いた。
「結城のために、力を貸せってことか」
「えっ?」
「結城のために、泳げってことか!」
香川君の言葉に目を見開く。
結城君のことしか見えてなかった。
水泳部ができれば、結城君が再び泳げると思った。
香川君の言う通り、結城君のために部員を集めたかった。
私、香川君にとんでもなく失礼なことをしているのかもしれない。
「ごめんな、さい」
もうそれしか言えなかった。
「へー。結城のこと、そんなに好きなんだ」
「だから、違うって!」
結城君のことは大好きだけど、水泳部に関しては、純粋に水泳が好きだから。